- 美容師インタビュー | 2025.07.17
【京都・西院 Hue】作品づくりの感性を日常に──小辰優次さん × 畠翠里さん ご夫婦インタビュー
阪急・京福「西院駅」から徒歩1分、感性を刺激するプライベートサロン
西大路四条の東、京福西院駅の踏切すぐ。
レトロな通りに佇む「Hue(ヒュー)」は、コンクリートの無機質さに木の素材感と暖色の家具が温かみを感じさせる全4席のプライベートサロンです。
自然光がたっぷり差し込む店内では落ち着いた時間が流れ、「髪と心を彩る」というコンセプトを体感できます。
お互い別々のデザイナーズサロンで店長を務めたお二人は、2024年にHueをOPEN。
今回は、独立の経緯からクリエイションとサロンワークの関係まで、じっくり伺いました。
小辰優次さんインタビュー|“らしさ”を彩る、クリエイションの感性と現場力
Q. 独立のきっかけを教えてください。
スタイリストとして働く中で、だんだんと「自分だったらこういう空間にしたい」「こういうサービスを提供したい」という想いが強くなってきたんです。
前職のサロンでは教育体制も整っていて、学びの面ではとても恵まれていました。
日々、経験を積む中で、少しずつ自分の可能性を広げたいと思うようになりました。
別のサロンで働いていた畠との結婚もあり、夫婦で高めながらもっと自由に、自分たちらしくお客様と向き合える場所をつくりたい。
そう思ったことが、独立を決意する一番のきっかけでした。
Q. サロン名「Hue(ヒュー)」と、コンセプト「彩る」に込めた想いとは?
「Hue」は色合いや色彩という意味を持つ言葉で、私たちはこの名前に「その人らしさ」や「多様な個性」も含めて表現したいと考えています。
コンセプトは「Hue Your Life」――髪を通じてお客様一人ひとりの個性を活かし、日常そのものを豊かに彩ることを目指しています。
単に髪型を整えるだけでなく、その方の魅力に“+α”を与えられるような存在になりたい。
そして、彩られたお客様の暮らしが幸せに満ちていき、またHueに戻ってきてくださることで、Hueという空間自体も彩られていく。
そんなお客様とHueが互いになくてはならない関係性を築ける場所でありたいと思っています。
Q. 前職で培ったコミュニケーション力は、どう活きていますか?
スタイリストデビュー当時、顧客の引継ぎなどはなく、完全にゼロからのスタートでした。
名刺・ショップカードを持ってお店の外に出たり、お客様に紹介をお願いしたり。
とにかく行動して人と関わることで関係性を築いてきました。
その経験から、人との距離感や会話の空気を読む力が自然と身についたと思います。
今では、お客様と自然体で話し、信頼を築くことが何よりも大切だと感じています。
Q. プライベートで続けてきた活動は、今の自分にどんな影響を与えていますか?
美容師を続けながら、10年以上にわたってバレーボールサークルを主宰していました。
美容師仲間や異業種の人たちと月1で集まり、初心者でも経験者でも楽しめるような場を自分でつくって運営していたんです。
その中で、人が自然と集まる空気感や関係性の築き方、誰もが楽しめる空間作りを学びました。
Q. 最近はどんな趣味でリフレッシュを?
今はロードバイクにハマっていて、比叡山のヒルクライムにも挑戦しました。
坂道はキツいですが、景色の変化や風を切るスピード感がたまらないですね。
運動というより、感覚を研ぎ澄ませる時間として、サロンワークの切り替えにもなっています。
Q. クリエイティブ活動への想いと今後の展望は?
YAYOI〜BRAINSでは、リアルなサロンスタイルとクリエイティブをどう融合させるかを常に意識していました。
ただのサロンスタイルではなく、表現や感性を深めるには、やはりクリエイション活動(ヘアデザインを競うコンテストなどへの挑戦)を通したアウトプットが必要だと思っています。
2年目からは、Hueらしい世界観での作品づくりやメイクを交えた撮影など、ビジュアル表現も積極的に再開していきたいです。
小辰優次さんPROFILE
- アミューズ美容専門学校卒
- YAYOI〜BRAINSに16年間在籍し、主任・副店長・店長を歴任
- 三都杯優秀賞、TrendVision エリアファイナルなど受賞歴多数
- 美容学校での講師活動なども経験
- 2024年、Hueを畠さんとともにOPEN
- ショート〜ボブの似合わせカット、パーマスタイルを得意とする
畠翠里さんインタビュー|また帰ってきたくなる、“好き”がつながる場所をつくる
Q. 畠さんにとって「Hue」はどんな場所ですか?
Hueは、お客様一人ひとりとしっかり向き合える空間です。
前サロンでは1日に多くのお客様を担当し、カラーやシャンプーは他のスタッフに任せることが多く、仲間とセンスを共有できたことは財産でした。
限られた時間の中でもお客様に寄り添うことを意識していましたが、今はカットから仕上げまで全て自分が担当することで、よりお客様との時間を大切にできています。
そうすることで表情の変化や小さな言葉に気づけるようになり、美容師としての働き方にも変化を感じています。
Q. 提案するスタイルで大切にしていることは?
「頑張らなくても決まる髪」をテーマにしています。
スタイリングに時間をかけずに、乾かしてオイルをつけるだけで自然とサマになる。
そんな扱いやすいスタイルが、日々の幸福感につながると思っています。
その人らしさを大切にしながら、ナチュラルな魅力を引き出す提案を意識しています。
Q. サロンワークで印象に残ったお客様とのエピソードはありますか?
初めて来てくださったお客様で、ヘアドネーションをきっかけにロングからショートへ挑戦された方がいました。
施術後に服装も表情も明るく変わり、「気持ちまで前向きになれた」と何度も伝えてくださって。
来店のたびに新しい洋服を報告してくれるほど変化を楽しんでおられ、ヘアスタイルが人の内面を動かす力を改めて実感しました。
Q. 畠さんが大切にしている“おもてなし”の原点は?
大好きなディズニーランドで感じた「ここにいる自分が好き」という感覚が、私のおもてなしの原点です。
見知らぬゲスト同士が自然に手を振り合うような一体感と幸福感、そして接客のクオリティの高さにいつも力をもらっています。
また最近では城崎の旅館で接客してくれた新人スタッフの姿に感動しました。
なれなくても一生懸命に心を込めている姿に「またこの人に会いたい」と思わせる接客の力を改めて実感しました。
Hueも、そんな“また帰ってきたくなる場所”にしたいと思っています。
畠翠里さんPROFILE
- 京都出身。関西美容専門学校卒業
- Snobに15年在籍 スタイリスト・店長・カット講師として活躍
- WELLA TrendVision ブロンズ受賞、JHAエリアノミネートなどの実績を持つ
- 美容学校での講師活動なども経験
- 2024年、Hueを小辰さんとともにOPEN
- ナチュラルで扱いやすいスタイル提案に定評がある
日常を彩る、感性とあたたかさの交差点
Hueの魅力は、コンテストや作品づくりで磨かれた感性と、丁寧なサロンワークの融合にあります。
完成度の高いスタイルはもちろんのこと、「また会いたくなる」「ここにいたくなる」空気感と距離感──それはきっと、Hueで流れるやさしい時間そのものです。
一人ひとりの「らしさ」に向き合い、心地よく彩る。
そんなHueで、あなただけの特別な時間を体験してみてはいかがでしょうか。
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